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2023年12月12日(火)に第8回公開シンポジウム「20年以上の低迷を抜けて『賃上げ』は可能か?――春闘:イオンリテールワーカーズユニオンの取り組みから」をオンラインで開催しました。
日 時:2023年12月12日(火)19:00〜21:00
開催方法:ZOOMによるオンライン開催
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〔プログラム〕
基調報告:濱本隆宏さん(イオンリテールワーカーズユニオン中央執行書記長))
コメンテーター:林大樹さん(一橋大学名誉教授)
司 会:石川公彦さん(沖縄大学教授)
〔開催趣旨〕
連合は、23年春闘において3.58%(加重平均)という約30年ぶりの高い賃上げ率を達成した。しかし、2022年度の消費者物価指数は前年度比3.2%(総合指数)の上昇であり、2023年に入ってからも一貫して上昇を続けていることに鑑みると、この賃上げ率は実質的にプラスに転じたとはいえない。
このような状勢の中、イオンリテールワーカーズユニオンは、正社員組合員の平均賃金1万5,061円(5.03%)増、短時間組合員であるパートタイㇺ労働者の時給71.9円(7.0%)増と、ともに満額回答で賃上げを達成した。なぜ、どのようにして、このような賃上げが可能となったのであろうか。その要因の1つは、2022年に締結したイオングループの労働協約にある。通常よくみられる個別企業ごとの労働協約ではなく、グループ全体で統一の労働協約を締結したことが、2023年の春闘においてどのような効果をもたらしのであろうか。
本シンポジウムでは、イオンリテールワーカーズユニオンの濱本さん(中央執行書記長)をお招きして、経済情勢や社会情勢といった背景だけではなく、グループ全体で締結した労働協約などに着目し、賃上げ交渉という「原点」から賃上げについて考える契機としたい。連合は、23年春闘において3.58%(加重平均)という約30年ぶりの高い賃上げ率を達成した。しかし、2022年度の消費者物価指数は前年度比3.2%(総合指数)の上昇であり、2023年に入ってからも一貫して上昇を続けていることに鑑みると、この賃上げ率は実質的にプラスに転じたとはいえない。
このような状勢の中、イオンリテールワーカーズユニオンは、正社員組合員の平均賃金1万5,061円(5.03%)増、短時間組合員であるパートタイㇺ労働者の時給71.9円(7.0%)増と、ともに満額回答で賃上げを達成した。なぜ、どのようにして、このような賃上げが可能となったのであろうか。その要因の1つは、2022年に締結したイオングループの労働協約にある。通常よくみられる個別企業ごとの労働協約ではなく、グループ全体で統一の労働協約を締結したことが、2023年の春闘においてどのような効果をもたらしのであろうか。
本シンポジウムでは、イオンリテールワーカーズユニオンの濱本さん(中央執行書記長)をお招きして、経済情勢や社会情勢といった背景だけではなく、グループ全体で締結した労働協約などに着目し、賃上げ交渉という「原点」から賃上げについて考える契機としたい。
〔関連ウェブサイト〕
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2023年12月9日(土)に第7回公開シンポジウム「地域の課題としての公務非正規問題に取り組む」を対面とオンラインを併用するハイフレックスで開催しました。
日時:2023年12月9日(土)14:00〜17:00
会場:法政大学市ヶ谷校舎(大内山校舎Y702教室)及びZoom
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〔プログラム〕
講師:瀬山紀子さん(埼玉大学・公務非正規女性全国ネットワーク共同代表)
川村雅則さん(北海学園大学)
司会:惠羅さとみさん(法政大学)
参加費:無料
〔開催趣旨〕
今回のシンポジウムでは、全国の地方自治体で「公務非正規」として働く人たちの低い労働条件と雇用不安の問題を、重要な地域の課題として取り上げ、大学や市民社会がこの問題にどう取り組んでいけるのかを考える。
地域住民は、自治体からさまざまなサービスを受けて生活している。しかし、そこで働く人たちの雇用身分や労働条件、ジェンダー問題を含む深刻な現状について、必ずしも十分に気に留めてこなかった。しかし、コロナ禍を経て、公共サービスの担い手である”エッセンシャルワーカー”に一時的に光があたった。正規・非正規に関わらず、公共サービスの担い手が安定したサービス提供者としてあり続けることは、地域住民の生活の安定にとって重要な意味を持つ。
このシンポジウムでは、公務非正規の問題を地域の課題として位置づけ、調査活動や情報発信、さまざまな主体との連携を試みてきた研究者・実践者の立場から、基調報告や問題提起をおこなう。そして後半では、大学や市民社会がどのような取り組みができるのか、参加者と共に考えあいたい。
〔講師紹介〕
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瀬山紀子さん(埼玉大学・公務非正規女性全国ネットワーク共同代表)
ジェンダー論・「障害」に関わる社会課題についての研究・教育活動に従事。2020年3月まで、約20年間、公立女性関連施設(男女共同参画推進センター)で事業コーディネーターとして勤務。自身の経験から、非正規公務員問題について強い関心を持ち、2021年春から、公務非正規当事者を中心としたゆるやかなネットワーク「公務非正規女性全国ネットワーク(通称:はむねっと)」(
https://nrwwu.com/
)の立ち上げに関わり、調査や提言、社会的発信を行っている。共編著に『
官製ワーキングプアの女性たち あなたを支える人たちのリアル
』(岩波ブックレット、2020)、『
障害があり女性であること 生活史からみる生きづらさ
』(現代書館、2023)がある。
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川村雅則さん(北海学園大学)
地方自治体で働く非正規公務員や自治体発注の工事・業務等で働く民間労働者を対象とした調査・研究活動に従事。NPO法人建設政策研究所北海道センター、反貧困ネット北海道のほか、官製ワーキングプア研究会などでも活動。北海道労働情報NAVI(
https://roudou-navi.org/
)の管理人
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【UCLAレイバーセンター所⻑ケント・ウォンさん来日講演会開催】
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2023年3月20日(月)に「UCLAレイバーセンター所⻑ケント・ウォンさん来日講演会」を開催しました。
日 時:2023年3月20日(月)18:00−20:30
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〔プログラム〕
<報告1>ロサンゼルスの労働運動が地方政治をいかに変えてきたか
<報告2>労働運動の高揚:カリフォルニア大学4万8000人の院生労働者のストライキ
<報告3>レイバーセンター運動の新しい段階
報告者:ケント・ウォン(カリフォルニア大学ロサンゼルス校レイバーセンター所長)
場 所:法政大学市ヶ谷キャンパス富士見坂校舎309教室
通 訳:日英ー英日の逐語通訳があります
ケント・ウォンさんが講演会で使用したスライドをpdfファイルにしたものをダウンロードできます。
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日本語版
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英語版
※参考リンク
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2022年12月13日(火)に第6回公開シンポジウム「20年以上の低迷を抜けて『賃上げ』は可能か ~KDDI労働組合の取り組みから~」をZoomを使ってオンラインで開催しました。
日 時:2022年12月13日(火)19:00−21:00
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〔プログラム〕
講師:春川徹(KDDI労働組合委員長)
司会:石川公彦(沖縄大学教授)
コメンテーター:
上西充子(法政大学教授)
菅俊治(弁護士・日本労働弁護団常任幹事・日弁連労働法制委員会事務局長)
林大樹(一橋大学名誉教授)
〔開催趣旨と内容〕
2022年9月1日の財務省発表によると、21年度の企業の内部留保(利益剰余金)は、金融・保険業を除く全業種で過去初めて500兆円を超えました。その一方で、20年以上にわたって労働者への分配は滞り、「賃上げ」が低迷しています。そこで今回の公開シンポジウムでは、政策・立法による賃上げや、最賃運動のような審議会方式による賃上げではなく、「官製春闘」でもない、本来の春闘方式による賃上げを議論の俎上にのせました。
具体的な事例としてKDDI労働組合委員長の春川徹さんをお招きし、個別企業における賃上げの交渉過程でいま何が起きているのか、交渉当事者の「生の声」を伺いながら、なぜ賃上げが低迷しているのか、どうしたら賃上げが可能となるのかについて、議論しました。
春川委員長の報告の主な内容は、(1)KDDI労働組合の組織と活動の概要、(2)現在の賃上げ交渉で用いているロジック(賃上げ交渉の根拠)、(3)非正規雇用労働者の賃上げ交渉とその成果、(4)連合の春季生活闘争との連携(共闘連絡会議や情報労連との連携)と波及効果等でした。
KDDI労働組合は2012年以降、非正規雇用労働者の賃上げ交渉を積極的に行い、これを実現してきました。正規雇用労働者と非正規雇用労働者の共闘は、いかにして可能となったのか、非正規雇用労働者の賃上げ交渉を、誰が、なぜ、どのように行ってきたのかについて春川委員長に話していただき、非正規雇用労働者の賃上げの進め方について、3人のコメンテーターと春川委員長のやりとりや参加者との質疑応答を通じて討議しました。
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【第5回公開シンポジウム開催】
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2021年12月19日(日)に第5回公開シンポジウム「つながれない私たち ~労働組合に期待はできるのか~」をZoomを使ってオンラインで開催しました。
日 時:2021年12月19日(日)14:00−16:00
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〔プログラム〕
司会:上西充子さん(法政大学教授)
〔報告〕(45分)
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ユニオンによる未組織労働者の組織化の意味と課題
神部紅(前・ユニオンみえ書記長/元・首都圏青年ユニオン委員長)
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フリーランス・非正規労働者の目から見た労働組合と困窮者支援
和田靜香(ライター)
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職場の組織化と地域の組織化
菅俊治(弁護士・日本労働弁護団常任幹事・日弁連労働法制委員会事務局長)
パネルディスカッション(30分)
質疑応答(30分)
〔企画趣旨〕
ブラック・ライブズ・マター共同代表のアリシア・ガーザは、著書『世界を動かす変革の力』の中で、黒人コミュニティの組織化についてこう語っています。
“組織化とは、関係を作り、さらにその関係性を活用して、一人ではやりきれないことを連帯の力で成し遂げることだ。しかしそれだけではない。組織化の使命と目的は、力(パワー)を築き上げることである。”(p.89)。 “エンパワーメントが力(パワー)に変換されない限り、私たちが暮らす環境が変わることはない” (p. 90)。
同書に記されているように、コミュニティの組織化には、粘り強さ、忍耐力、責任が求められる(p.90)。働く人たちの組織化も同様だろう。さらに日本の場合は、力(パワー)を持つことの重要性や、組織化の重要性が、組織化されていない人々にはイメージしづらく、地域における組織化であれ、働く人たちの組織化であれ、より困難であると考えられる。
本シンポジウムでは、働く人たちの組織化の意味や課題について、組織化を進めようとする運動の内側の視点と、組織化の必要性を感じにくい外側の視点、その双方から考察しました。
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【第4回公開シンポジウム開催】
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2021年1月24日(日)に第4回公開シンポジウムをZoomを使ってオンラインで開催しました。
今回の公開シンポジウムで使用したパワーポイントのスライドや関連資料をダウンロード
できるようにしました。
日 時:2021年1月25日(日)14:00−16:00
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〔プログラム〕
開会あいさつ:上西充子さん(法政大学教授)
1 ユニオン報告 30分
土屋俊明さん(ウーバーイーツユニオン執行委員長)
聞き手・天野理さん(東京労働安全衛生センター)
2 プラットフォームワーカーをめぐる国内外の情勢 30分
呉 学殊さん(JILPT 労使関係部門・統括研究員)
・韓国プラットフォーム配達労働に関する協約について
・国内フリーランス調査結果について
3 コメント
田端博邦さん(東京大学名誉教授)
菅俊治さん(弁護士)
林大樹さん(一橋大学名誉教授)
4 質疑応答 40分
閉会挨拶:青野恵美子さん(法政大学フェアレイバー研究所)
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【高須裕彦さんを偲ぶ会開催】
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フェアレイバー研究所の創設メンバーで、開設以来事務局長を勤めていた高須裕彦さんが2019年7月13日に急逝されました。享年60歳でした。11月21日(木)午後6時から、法政大学市ヶ谷キャンパス、ボアソナードタワー26階スカイホールで200人近い人たちが集まって高須さんを偲ぶ会を行いました。
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【第3回公開シンポジウム開催】
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2019年10月26日(土)に法政大学市ヶ谷キャンパス外濠校舎4階S407教室で、第3回公開シンポジウムを開催しました。
日 時:2019年10月26日(土)14:00−18:00
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場 所:法政大学市ヶ谷キャンパス4階S407教室
(千代田区富士見2-17-1)
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テーマ:労働運動を元気にする〜APALA(アジア太平洋系
アメリカ人労働者連合)の取り組みから学ぶ〜
共 催:日本労働弁護団
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1992年に結成されたアジア系太平洋諸島系の移民やアメリカ人労働者で構成されるアメリカの全国組織APALA(Asian Pacific American Labor Alliance,AFL-CIO、アジア太平洋系アメリカ人労働者連合)の活動家7人を招いて、アメリカの労働組合・労働運動の新しい動きを紹介してもらいながら、日本の労働組合・労働運動を活性化するための方法を約70人の参加者と一緒に考えました。全体会の他、3つの分科会に分かれて、組織化の手法、どうしたら女性や若者がもっと運動に参加するのか、効果的な発信の方法、組合内での教育・訓練など、労働運動が抱える課題・悩みについての意見交換も行いました。
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全体会の様子
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分科会の様子
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【第2回公開シンポジウム】
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2018年7月22日(日)に連合会館で、第2回公開シンポジウムを開催しました。
日 時:2018年7月22日(日)13:30−16:50
場 所:連合会館4階402会議室(千代田区神田駿河台3-2-11)
テーマ:いま、労働運動は何をなすべきか:課題と運動の方向を考える
パネリスト:古賀伸明さん(連合前会長、連合総研理事長)
山口二郎さん(法政大学法学部教授)
禿あや美さん(跡見女子学園大学マネジメント学部准教授)
この第2回公開シンポジウムの内容は、『労働法律旬報』1923号(2018年11月10日発行)に掲載されました。〔
ここ
〕をクリックしていただけば、その全文を読むことができます。
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【第1回公開シンポジウム】
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2017年12月2日(土)13:30〜17:00に連合会館2階201会議室において、第1回公開シンポジウムを開催しました。この公開シンポジウムでは、森千香子・一橋大学大学院法学研究科准教授に「新自由主義時代における『変革』とは何か:現代フランスにおける格差・マイノリティ・労働」と題して講演していただきました。また報告に対して、東京大学名誉教授で法政大学フェアレイバー研究所特任研究員でもある田端博邦さんから、他の先進国との比較や労使関係の視点から、外国人労働者問題に詳しいジャーナリストの安田浩一さんからは、移民に対する排外主義や日本との比較の視点からコメントをいただき、その後参加者の方々にも参加していただくかたちで議論を行いました。この第1回公開シンポジウムの内容は、『労働法律旬報』1909号(2018年4月10日発行)に掲載されました。〔
ここ
〕をクリックしていただけば、その全文を読むことができます。
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【その他の研究会開催のお知らせ】
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労働教育研究会:今後の開催予定については〔
こちら
〕をご覧ください。
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社会運動ユニオニズム研究会:今後の開催予定については〔
こちら
〕をご覧ください。
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〒102-8160東京都千代田区富士見2-17-1
法政大学80年館5階504号室
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TEL: 03-3264-9395
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